“JA香川県青壮年部”

JA香川県青壮年部 委員長

山田 泰三

テーマ大規模JAの功罪

2013.02.06

我がJA香川県は「県下単一JA構想」に基づき12年前に広域合併し、今年4月1日には「JA香川豊南」と合併、名実とともに県単一JAとなります。

当時は各JAとも黒字合併であり、順風満帆の船出であったようだ。しかしながら、黒字体質ゆえ、各地域の競争もなくなり、また慢心でもあったのか事業そのものの伸長が頭打ちとなり、また不祥事も相次ぐ事態となり負の連鎖が止まらなくなっている。

元来、「組合員の組合員よる組合員のためのJA」であるはず。しかし、大規模化し利益を出すため合理化すれば顧客サービスがおろそかになるのは当然である。なぜなら顧客サービス部門(あえて営農部門)はすぐには数字となって表れないからである。当然赤字部門の削減からメスをいれるのである。しかしこの行動こそ組合員にとって一番不満なのである。

小さなJAは営農により利益を生み、その結果が貯金や共済の獲得につながってゆく。小さなJAにできて大規模JAに出来ないのはなぜなんだろう?

机上の理論では1+1=2だが実際は2にするのは至難の業かもしれない。

今後各地で、経営の合理化、スケールメリットという名目で広域合併が模索され実行されると思われる。しかし、合併による財産があるうちはうまく回るにしても、すぐに財産はなくなり、合理化のもと組合員へのサービス低下、職員のリストラにより利益を出す方向へ進んでいくのは明白である。現在の一般企業となんら変わらないのである。

何のための誰のための合併なのか、今後JAを担うべく青年組織の盟友たちが自分たちのJAに向け発信しなければいけないのだと思えてならない。

「合併していいJAになったな」と自慢できるJAになってほしいと願ってやまない。