“JA香川県青壮年部”
香川県農業協同組合青壮年部 委員長
山田 泰三
テーマ伝統産業の担い手として
2014.07.24
私の家は江戸時代から続く「讃岐製糖」の車元であり、私は本家筋から数えて八代目にあたります。
私の住む「さぬき市津田町」は瀬戸内海の海岸線にあり、温暖ではあるが砂質土壌のせいで水田が少なくサトウキビの栽培が広まったといわれています。
かつては讃岐藩の財政を持ち直したといわれるほど盛んな時代もあったようですが、昭和20年代後半に価格の安い外糖が入り始めると一気に衰退し、取引先を持っていたわが家が残るのみになってしまいました。
今ではサトウキビを栽培する農家も減りましたが、意欲ある仲間にも恵まれ何とか製造を続けています。
この「白下糖」は精製する前の砂糖で、これを何回も練って糖蜜をとって白くしたものがいわゆる「和三盆」となります。
地元でも「和三盆」は知っていても「白下糖」知らない人も多く、これではいけないと思っていた頃、地元小学校からサトウキビの栽培と加工の体験をやりたいとの依頼があり、お受けして早や14年目になります。
全く見おぼえのない中学生、高校生などから街で「サトウキビのおっちゃん」と声をかけられることもあり、少しは「白下糖」の事覚えてくれてるのかな?とうれしくなります。
大人だけが知っていても次世代にはつながらないので、こんな機会を与えてくれた当時の校長先生にはただただ感謝です。
わが家の「白下糖」製造は、いわゆる「6次産業」のはしりといえるでしょう。
讃岐製糖の伝承者の一人として、伝統の技術を次の世代に伝える仕事があります。
その仕事こそ、自分に与えられた最大の仕事かもしれません。