“広島県農業協同組合青壮年連盟”

広島県農業協同組合青壮年連盟 委員長

大谷 治則

テーマ菅総理、TPPに参加して夢が持てるのか?

2011.02.23

菅直人総理大臣がTPP参加検討を言い出して4ヶ月余りになります。

 

自由化の対象は農業だけではないはずなのに、世論としては農業だけの問題と捉えられている気がします。その理由として、政府からの情報不足と同時に「農業だけの問題」と、庶民の目を逸らしておきたい菅総理、経済界の思惑があるような気もします。

10年前、ガット、WTOにおいてミニマム・アクセスを受け入れ、関税に移行した時、経済界、マスコミは「安い農産物が入って来るので国民の生活は向上する」との論調を繰り広げていました。そして、国際的に負けない足腰の強い農業を育てる、として政府は6兆1百億円の予算をつけました。結果として庶民の生活は豊かになったのでしょうか。農業は、どう変わったのでしょうか。

今回も、TPP参加を機に農業も成長産業へ、と菅総理、経済界も発言しています。しかし政府からは未だ具体案は示されていません。

少なくとも成長産業と言うからには年間労働時間と年収を示し、少なくとも農業者の半分の人が夢を持てる議論をしてほしいものです。

他産業で働く人達も、TPPに参加して自分達の仕事は大丈夫なのか、将来に夢が持てるのか、今一度考えてみてほしいものです。

そして政府にはTPP不参加の場合の不安感を煽るばかりではなく、参加した時のデメリットも示してほしいものです。

最後は自己責任の一言で逃げられてしまうのでしょうか?