“トピックス”

農水副大臣に被災地の農業復興を強く要請

篠原副大臣へ要請書を手渡す牟田会長ら全青協役員

JA全青協は6月21日(火)、「営農再開に向けた東日本大震災および原発事故対策に関する要請」を農林水産省の篠原副大臣に行いました。

牟田会長からは、東日本大震災発生から3ヵ月が経過したが、津波被害を受けた農地の多くがいまだに瓦礫・汚泥などで覆われており、営農再開への目途が立っていないことについての危機感を表明し、被災地の復興のためにも地域の基幹産業である農業が再開することが重要であり、生産者がスタートラインに立てるよう万全な政策をお願いしたいと要請いたしました。

また、遠藤副会長からは、東京電力福島第1原子力発電所の事故は終息の兆しが見えず、農業にとって一番重要な農地が汚染され収入が断たれている深刻な現状を訴えました。

(別紙)
営農再開に向けた東日本大震災および原発事故対策に関する要請

東日本大震災発生から3ヵ月が経過し、被害を受けた各地域では復旧作業が進められているが、農地の多くはいまだに瓦礫・汚泥などで覆われており、営農再開に向けた目途が立っていない地域が太宗である。
また、東京電力福島第1原子力発電所の事故は終息の兆しが見えず、農畜産物は出荷制限や作付制限、またその後の価格下落を余儀なくされている。こうした事態は、生産者にとっては自らに責任がないにもかかわらず収入の道が閉ざされることとなり、今後の営農継続さえ危ぶまれる深刻な事態となっている。
被災地の復興のためには、地域の基幹産業である農業が再開し、コミュニティー機能を回復することが重要であり、そのためにあらゆることに優先して被災地、被災者対策を迅速に行っていくことが現時点での政府としての唯一無二の役割である。かかる視点から、TPP参加に向けた検討はただちに中止すべきであり、全力を挙げて復旧・復興に取り組む必要がある。
地域農業の担い手である青年農業者として、被災地の営農再開に向けて以下の通り要請する。

1.地震・津波被害からの復旧・復興の迅速化と営農再開対策

(1) 瓦礫、汚泥処理をはじめとした復旧作業を速やかに行うとともに、営農再開に向けて復旧可能な農地の整備や代替地の確保を行うこと。
(2) 地域農業やコミュニティーの柱となる担い手への農地集積、施設園芸団地化、担い手経営体を中心とした集落営農組織の再構築など、農業復興に向けたビジョンと工程表を早期に示すとともに、万全の支援対策を講ずること。
この中で、被災農業者が速やかに営農再開し経営を軌道に乗せることのできるよう、現場の声を反映させた各地域の農地利用・整備計画の策定を促進すること。

2.原発事故対策

(1) 原発事故による被害はこれまでの安全安心な農畜産物の安定供給に向けた生産努力を全く無にするものであり、一刻も早く原発事故を終息させ営農再開に向けた工程を早期に示すとともに、万全の支援対策を講ずること。
(2) 今回の原発事故に起因するあらゆる損害について、速やかに賠償金の支払いがなされるよう国として万全の体制を早急に構築すること。
(3)  生産者、消費者の不安・混乱を払しょくするため、行政が主体となり責任を持って品目に応じた適切な方法による検査の実施を行うとともに、営農再開に向けて農地の放射性物質の除去を確実に行うこと。また、植物を利用した放射性物質の吸収除去にあたっては、植物残渣の処理方法等について示し現場における不安を解消すること。

以上