“愛媛県農協青壮年連盟”
テーマ青年農業者として、百姓として
2014.02.12
ここ数年の異常気象、農業資材等の高騰、また今後のTPP交渉参加への影響等、私たち農業者を取り巻く環境はめまぐるしく変化し、憂慮すべき状況が続いています。安倍政権が打ち出している農業政策も、今一つ現実性に乏しく、絵空事のようにも聞こえてきます。
本来、日本農業は国土の特性から、限られた平野部と主に中山間部が農地となるため、地域、集落が中心となって相互扶助のもと受け継がれてきているものであると思います。そしてそこには、百姓としての匠の技があり、自然環境を守り、あらゆる動植物と共存・共生していく眼差しを持って生きてきたはずです。
一方で、私たち青年農業者は、時代の流れと共に、新たなことにチャレンジしていかなくてはなりません。農作物をつくっているだけではなく、販売に繋げていくために仲間と組織と地域とでアイデアを出し合い、積極的に前進していく必要もあるでしょう。ただ私は、これからの日本農業の在り方として、大規模農業経営だけが生き残るのではなく、今一度、地域農業の重要性を再確認すべきだと思うのです。農業者は、先輩諸氏から百姓の匠の技を学び進化させていき、消費者は、食農教育等を通じて、地域農業の大切さ、地元食材の素晴らしさを知ることにより、お互いに感謝し合える関係を地域一体となって育んでいくべきではないでしょうか。
地産地消・身土不二、使い古された言葉ではあるかもしれませんが、日本農業が日本農業であり続けるために、私たちは、青年農業者として、百姓として、先人たちが残してくれたこの農地を、景観を、その想いを、後世に未来永劫受け継いでいくべく全力で活動していきます。