“愛知県農協青年組織協議会”

愛知県農協青年組織協議会 委員長

加藤 秀明

テーマオーストラリア北部クイーンズランド州で思う

2016.03.08

 愛知県の加藤秀明です。出張先のオーストラリアから寄稿させていただきます。

 私はJA青年綱領にある「世界的視野から時代を的確に捉えること」は農業経営を行う上で、大切なことであると考えています。

 訪問前、オーストラリアでは大規模で効率的な農業が一様に営まれていると考えていましたが、実際に訪問してみると、営まれている農業が2つに大別されると感じました。

 ひとつは、小規模家族経営の農業。コショウやバニラ、しょうが等を栽培しており、日本の三ちゃん農業と同じ概念で営まれる農業です。もうひとつは、大規模で効率的な農業。さとうきびや米、大豆、牛肉を換金作物として栽培しており、一次加工と販売を併せて営む農業です。後者の農業者はユニオンを組み、ますます効率的な農業を目指しています。

 現場の農家からの聴き取りによれば、彼らが認識する農業の問題点は、若者が農業を行わないこと、農業従事者の平均年齢が約70歳まで上昇していること、農産物価格が安いこと、労働者にかかる費用が高い(時給1700円以上)ことであり、日本の状況と変わらないということを感じました。

 一方でオーストラリアでは、農家が農家オリジナルのピクルスやジャムを作ったり、ファーマーズマーケットで消費者と交流したりする独自の取組みが進んでおり、それをクールだと受け止める消費者の素養があります。日本の農業も、消費者の動向に着目して農業経営を行うことで、より良くなるのではないかと感じました。

 海外から日本の農業を眺めることで、自身の経営改善の気付きや地域の発展のためのヒントを得ることができます。青年部のみなさんも世界的視野で物事を考え、自身の地域で行動する、そんな農業者を目指していきましょう。